淡雪の恋。

溶けないように、

壊れないように。



動いたら壊れてしまう。

息を吹いただけで、溶けてしまう。



だから私は動けずにいる。いや、動かずにいるのかも。



たとえそれが偽りだとしても、一時でも一緒に居れるなら、



春になれば、溶けてしまうのだとしても。



息を殺して、

想いを空に溶かして、



それでも私はあなたのそばにいたい。

抱き締めること、できずとも、



この想い、伝える事なく、お側にいましょう？



共にいればいるほど、想いもつらかろうが、構いませぬ。



共に、

友として。



淡き雪が溶けるかのように、いづれ想いも溶けるでしょう。



春、待ちわびて。



2008、あき。